離婚に伴う子どもの問題

【裁判例】 父親から認知されていない未成年子について、母親からの人身保護請求があった場合 最高裁判所 平成6年11月8日
最高裁の判断枠組みでは、(1)未成年子が共同親権のもとにある場合には原則として人身保護請求を認めない、(2)何れかに親権・監護権がある場合には、非親権者・非監護権者に対する人身保護請求を原則として認めるというものです。 それでは、父親ではあるが認知していない未成年子については、どのように考えるべきかということが問題となった事案です。 スナックに勤めていた母親と客として来ていた父親の間に生まれた子供の事案です。父親は認知はしていませんでした。 判決文を読む限りでは,母親の現在の生活や経済状況(夜間はスナックに勤めているなど)と年収1000万円近くある父親とを比較すると,父親の方が養育能力は高そうです。 原審は、母親から父親に対する人身保護請求に基づくこの引き渡しを認めませんでしたが、最高裁は次のように述べて、母親からの請求を認めました。 父親であるとはいえ、認知していない以上、上記(2)の判断枠組みにたつべきだとしています。  「請求者である母親は被拘束者の親権者であり、その監護をする権利を有する者であるのに対し、父親Aは拘束者の父であるとはいえ、いまだにその認知をするに至っていないというのであり、また、父親Bは被拘束者とは血縁関係を有せず、父親Aの依頼に基づいてその監護を行っているものである。したがって、被拘束者を母親の監護の下に置くことが父親らの監護の下に置くことに比べて子の幸福の観点から著しく不当なものでない限り、父親らによる拘束は権限なしにされていることが顕著である場合に該当し、母親の請求を認容すべきところ、前記事実関係に照らすと、被拘束者の監護について、母親は父親らに比べて経済的な面において劣る点があるものの、被拘束者に対する愛情及び監護意欲の点においては優るとも劣らないと考えられるのであって、本件において、親権者である母親が被拘束者を監護することが著しく不当なものであるとは到底いうことができない。」 【掲載誌】 最高裁判所民事判例集48巻7号1337頁        家庭裁判月報47巻6号26頁        最高裁判所裁判集民事173号307頁        裁判所時報1134号181頁        裁判所時報1134号1頁        判例タイムズ865号297頁        判例時報1514号73頁
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