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※設例は、あくまでも公開された裁判例などをもとにした仮定のものであり、登場人物や事件の内容は、実際の事件とは一切関係ありません。
また、実際の相談が必ずこのように進むというわけでもありません。
相談を初めてしようと思っている方などに対して、あくまでも、弁護士がどんなことを尋ねるのかとなどについてイメージとしてお伝えしているものです。

※内容は、不定期・随時に更新しています。


真田さん夫妻の離婚相談 1

都内に居住する真田昌子さん(現在45歳)は、大学卒業後、28歳の時に、当時事務として勤務していた大手メーカーの同僚だった真田幸男さん(現在46歳)と恋愛結婚し、美幸ちゃん(現在15歳・中学3年生)という女の子も恵まれました。昌子さんは、出産後、短期のパートをすることはあっても、基本的にずっと専業主婦をしていました。
しかし、何年か前から夫婦仲があまりうまくゆかなくなり、お互いが「もともと好きではなかった」「出ていけ」「もう別れる!」など、双方を口汚く罵り合う口げんかも絶えないようになってしまいました。
昌子さんは、離婚のことを知りたいと思い、高校の同窓生の紹介で、都内に事務所を構える半蔵弁護士の下を訪ねました。
半蔵弁護士

「真田さん、初めまして。半蔵弁護士と申します。このたびはわざわざお越し頂いて有り難うございます。今回紹介して頂いた武田さんは、私の大学の先輩なのですよ。武田さんはお元気ですか?」

昌子さん

「このたびは宜しくお願いします。武田さんにはいつもよくしてもらっています。先日この件の相談でお会いした時もお元気でした。」

双方の紹介も終わり、半蔵弁護士が相談の内容について伺いたいと話を向けると、昌子さんはバッグの中から紙を2枚取り出して、1枚を半蔵弁護士に渡しました。時系列でまとめてきてくれたペーパーのうちコピーを半蔵弁護士は受け取り、ペーパーに目を落としながら、昌子さんの話に耳を傾けました。どうやら、1か月ほど前に、昌子さんは美幸ちゃんを連れて都内の実家に戻ってしまい既に別居が始まっているようでした。昌子さんは、この件で疲れている様子で、軽く溜息を漏らすと話し始めました。
昌子さん

「私たち夫婦は、私も当時勤めていた大洋電機で知り合いました。恋愛結婚でした。1年くらい交際して、会社の上司に仲人をお願いして、都内のホテルで結婚式を挙げました。夫は、現在も大洋電機の都内の事業所に勤務しています。夫の役職ですか?今は、営業部の課長補佐をしていて、部下が10名くらいではなかったかしら。」

半蔵弁護士

「結婚してからのおふたりの関係は良好だったのですか?」

昌子さん

「ええ、仲良し夫婦でしたよ。子供が生まれるまでは二人でよく映画などにも行っていました」

半蔵弁護士

「双方の両親や親戚との折り合いとかはいかがでしたか?」

昌子さん

「特に問題なくて、双方の両親とも、うまくやっていましたよ。」

半蔵弁護士

「お子さん、ええっと、美幸ちゃんでしたね、、美幸ちゃんが生まれてからはどうですか?」

昌子さん

「夫は子煩悩でしたし、特に変わりなく家族3人で暮らしていました」

半蔵弁護士

「えっと、確か、お二人の関係がうまくゆかなくなってしまったのは今から数年前くらいからということでしたよね?」

昌子さん

「そうなんです」

昌子さんの顔つきが厳しいものに変わります。
半蔵弁護士

「何かきっかけのようなものはあったんでしょうか?」

昌子さん

「いえ、何かきっかけがあったというわけではないのですが・・・」

昌子さんの目にうっすらと涙が浮かびます。半蔵弁護士は、少し昌子さんの気持ちが落ち着くのを待ちました。
昌子さん

「申し訳ありません。少し感情が高ぶってしまって。。夫が浮気したとか、何か決定的なことがあったわけではないんです。」

半蔵弁護士

「幸男さんから暴力を受けたとか、そういうことはないんですか?」

昌子さん

「暴力ということでしたら、喧嘩をした際に叩かれたり蹴られたりしたことはありますが、けがをしたとかいうことはありません。」

昌子さんの話によると、喧嘩の際に暴力を受けたということはあったようですが、それほどひどいものではなく、病院で診断書を取ったり、警察を呼んだりということまではしていないということでした。ただ、暴力というのは離婚に当たっての大切な理由になりますので、半蔵弁護士は昌子さんに対して、具体的な時期や態様についてはまとめておくようにアドバイスしました。
半蔵弁護士

「それで、喧嘩の原因というのはどんなものなのですか?」

昌子さん

「別に大したことではないんです。夫が私に食事がマズイとか文句を言ったりするので言い返したら喧嘩になったということもありましたし、私が電話をしているのを気に食わなかったのか、電話している傍らでわざと大きな音でテレビを付けたりするので、私が怒ったり。どちらの実家に帰省するかということでもけんかになったりしたこともあります。とにかく、そんなことが色々と積み重なってしまって、ここ1年くらいでは、お互いほとんど口もきかなくなってしまいました。たまに口をきいてもけんかになってしまって「お前なんかと結婚するんじゃなかった」とか酷いことも言われました。」

半蔵弁護士

「家庭がそんな雰囲気だと、美幸ちゃんにとっても宜しくないと思うのですが、如何でしょう?」

昌子さん

「・・・・・そうですね、美幸には本当に申し訳ないと思っています。」

半蔵弁護士

「美幸ちゃんからは、今の気持ちとかをお聞きになりましたか?」

昌子さん

「・・・・・はい。今回別居するにあたって、美幸には私から話をしました。」

昌子さんの話によると、美幸ちゃんは夫婦仲が悪くなった時期には小学校4年生くらいでしたが、夫婦喧嘩が始まると、「お父さんもお母さんもやめて」と言って止めに入ったり、悲しそうな顔をしたり、泣きながら別の部屋に逃げてしまったりすることもあったようです。中学生になると、父親の幸男さんとはあまり口もきかなくなったようです。そして、今回、昌子さんが自分の実家に帰り別居するに当たっては、昌子さんから美幸ちゃんに事情を話して意思を確かめたようですが、美幸ちゃんとしては転校してでもお母さんのところにいたいということで、一緒に家を出たということでした。
半蔵弁護士

「1か月ほど前に別居を開始していますが、その経緯というのはどういうことなのでしょう?」

昌子さん

「もともと、別居したいと思っていて、実家にも思い切って相談はしていたのですが、なかなか踏ん切りがつかなくて。ただ、美幸の中学校の終業式も済んで、ひと区切り付いた時期にと思って、思い切って家を出たのです。もう、あの雰囲気に耐えられなくて。」

半蔵弁護士

「幸男さんには告げてきたのですか?」

昌子さん

「置手紙をしてきました。それなりに荷造りも進めていましたので、夫もうすうす分かっていたとは思いますが、止めもされませんでした。」

昌子さんの話によると、家具などの大きな荷物はそのままにして、とりあえずの衣服などの身の回りのものを持って家を出たということでした。
さて、昌子さんが半蔵弁護士に相談していたちょうどそのころ、夫である真田幸男さんも、平川弁護士の下を訪ねていたのです。

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