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借地・借家の地代、賃料に関するQA
マンションを借りていますが,結露がひどくカビが発生したり,結露が壁を伝って床に溜まったりするなどしています。このまま決められた賃料を支払わなければならないのでしょうか?
1 賃貸借契約において,物件に破損や湖沼などの瑕疵がある場合,賃貸人には物件の修繕義務があります(民法606条)。賃貸借契約の契約後に生じた瑕疵のみならず,契約時点で既に存在していた瑕疵についても,修繕義務の対象となります(東京高裁昭和56年2月12日判決)。 2 賃貸人が修繕の必要性を知ったにも拘わらず,必用な修繕をしない場合に,物件全体の使用収益ができなくなっているような場合には,賃料は物件の使用収益の対価ですから,賃料全額が発生しないと考えられています。 ただ,お尋ねのような,物件の一部に瑕疵があり使用収益に不便を生じている場合にどのように考えるかについては,一部の使用収益が出来なくなっているのだから,その対価である賃料の一部が当然不発生となるという見解もあります。この考え方を貫けば,賃借人の側から何らかの手続をとる必要はなくなるということになります。 3 しかし,現実的な手続きとしては,賃借人の側から借地借家法32条1項に基づく賃料の減額請求をするということが考えられます。 このような考え方に立って,賃貸人からの賃料増額請求の事案ですが,給排気設備の不具合を考慮して請求額から2パーセント分を減額した賃料の増額を認めたという事例があります(東京地裁平成元年8月31日判決)。 4 また,賃借人が一旦費用を負担して修繕し,それに要した費用を必用費償還請求権として賃貸人に対して請求したり,賃料と相殺したりするという構成も考えられます。
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