更新料・承諾料、権利金、敷金その他に関するQA

【裁判例】 期間の定めのない店舗の賃貸借において、右店舗の場所的利益の対価としての性質を有する権利金名義の金員が賃借人から賃貸人に交付されていた場合に、賃貸借がその成立後2年9か月で合意解除されたとき、右金員の返還を請求することができるか 最高裁判所昭和43年6月27日
長崎県佐世保市内の市場の一部を賃借していた者が、賃貸借契約の際に金員を交付したが、2年9か月後に賃貸借契約を合意解除したため、交付した金員の返還を求めたというものです。 合意解除の際に返還について定めていれば、当然、返還を求められますが、そのような返還合意はしていなかったため争いとなりました。 原審は、交付された金員の趣旨について、権利金であると認定した上で、返還請求を認めませんでしたが、最高裁判所も次のように述べて、原審の判断を是認しました。ただ、この判例は、いかなる場合であっても権利金の返還を認めないものではないと解されています。 【最高裁判所の判断】 「原判決の確定したところによれば、本件の権利金名義の金員は、上告人が賃借した建物部分の公衆市場内における店舗として有する特殊の場所的利益の対価として支払われたものであるが、賃料の一時払としての性質を包含するものでなく、かつ、本件賃貸借契約には期間の定めがなかつたというのであり、賃貸借契約の締結またはその終了にさいし右金員の返還について特段の合意がされた事実は原審で主張も認定もされていないところであるから、このような場合には、上告人主張のように賃貸借契約がその成立後約2年9ケ月で合意解除され、賃借建物部分が被上告人に返還されたとしても、上告人は、それだけの理由で、被上告人に対し右金員の全部または一部の返還を請求することができるものではないと解すべきである。論旨引用の当裁判所昭和二六年(オ)第一四六号同二九年三月一一日第一小法廷判決、民集八巻三号六七二頁も、右のような場合に常に権利金名義の金員の返還請求を認めなければならないという趣旨を含むものとは解しがたい。したがつて、上告人の権利金返還請求を排斥した原審の判断に違法はなく、論旨は採用することができない。」 【掲載誌】 最高裁判所民事判例集22巻6号1427頁        最高裁判所裁判集民事91号549頁        裁判所時報506号2頁        判例タイムズ224号145頁        金融・商事判例118号15頁        判例時報523号37頁
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