不動産取引に関するQA

建物を購入した後で,当該建物内で自殺や殺人事件があったという場合,売買契約を解除したり損害賠償を請求することができますか?
1 売買契約において,購入した物件に「隠れた瑕疵」(買主が契約当時知らなかった欠点)があり,かつ,そのために契約の目的が達成できないときは,買主は,売主に対し,売買契約を解除したり損害賠償請求をすることができます(民法570条,566条)。 建物内での自殺や殺人といった事情について「隠れた瑕疵」に該当するかどうかは,肯定・否定の双方の裁判例があります。 否定例では,自殺以降の利用状態など何らかの変化があったことが考慮されているように思われます。 2 肯定例 (1)都心部のマンションの一室で売主の妻が契約の約6年前に自殺していた事例で「瑕疵」を肯定し,買主は家族で居住するために購入していたというケースであることなどから契約の解除を認めた(横浜地方裁判所平成1年9月7日) (2)買い受けた農村部にある土地上にあった建物で約50年前に発生した猟奇的殺人事件について,買主が本件土地上に新居を建築し居住することは「住みたくない」と感じることは自然の感情であるとして,「隠れた瑕疵」を肯定した(東京地方裁判所八王子支部 平成12年8月31日) (3)契約の約6年11か月前に,山間農村部に所在する建物付属する物置で人が農薬自殺に及び,建物内の風呂場で発見され病院で死亡したという事実は,建物の隠れた瑕疵に該当する(東京地方裁判所 平成7年5月31日) 3 否定例 (1)買い受けた土地上にかつて存在した共同住宅内の一室で,契約の約8年前に焼身自殺があったが,その後建物は解体され以降駐車場として利用されていたという件で隠れた瑕疵に当たらないと判断した(東京地方裁判所 平成19年7月5日) (2)契約の約2年前に建物内で自殺があったが,買主は建物を解体して第三者に売却するため買い受けたという事情があり,当該建物も解体されていることなどから隠れた瑕疵には当たらないと判断した(大阪地方裁判所 平成11年2月18日)
【法律相談QA】
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