窃盗罪に関するQA

【裁判例】 窃盗罪と占有離脱物横領罪2 福岡高等裁判所 昭和58年2月28日
被害者の被害品に対する占有が問題となった事案ですが、裁判所は下記のような事実を前提として、被害者の占有を認めて窃盗罪が成立するとしました。 【事案の概要】 1 被害者は,知人から用自転車を借りて,酒屋に行き,店の前の通路上に置き飲み始めましたが,路上駐輪が迷惑だということで,店の者が,被害者の承諾の下に,店から約17メートル離れた通常客の自転車置場としている橋の欄干に沿って置いておくことにしました。  被告人に盗まれた自転車はまだ新しく,その後輪泥よけ(ステンレス)の中央に青色ぺンキで氏名が記入されされていました。 2 被害者は,店で飲酒しているうち酔が廻ってしまい,本件自転車に乗って帰るのは危ないと考えたため,右自転車が置いてあるのを確かめた後,後から取りにくるつもりで自転車をそのまま置いて約600 メートル位離れた自宅へ帰りました。自転車は無施錠のままでした。 3 被害者が自転車を置いて自宅に戻ったのが大体午後2時頃で,被告人が橋付近を通りかかった際に自転車をみつけ,前輪上のかごの中にあった傘,タオルを取り出してその橋上に置いて,自転車を持 ち去ったものが翌午前3時35分ころでした。 【コメント】  原審は,被害者が自転車を無施錠のまま夜半まで放置したという事実などから,被害者の自転車に対する占有」を否定しましたが,高裁は,自転車の状況(まだ新しく名前も書かれていたこと)や橋の状況,被害者が自転車を置いたことを認識していたことなどから,被害者の占有を認めて,窃盗罪が成立すると判断しました。 【掲載誌】  高等裁判所刑事裁判速報集昭和58年321頁
【法律相談QA】
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