※設例は、あくまでも公開された裁判例などをもとにした仮定のものであり、登場人物や事件の内容は、実際の事件とは一切関係ありません。
また、実際の相談が必ずこのように進むというわけでもありません。
相談を初めてしようと思っている方などに対して、あくまでも、弁護士がどんなことを尋ねるのかとなどについてイメージとしてお伝えしているものです。
※内容は、不定期・随時に更新しています。
「思ったよりも早く裁判所の審判が出たようですね」
「はい,これも,道夫さんが不備なく書類を集めて頂いたおかげだと思います。やはり,書類に不備があると,それだけ手続も遅れてしまいますから。」
「恐縮です。弟と妹にも,後見が開始されたということを伝えました。」
「正確には」,この審判所が届いてから約2週間経過すると確定になります。その後,裁判所が法務局に連絡して,後見が開始されたという後見登記事項証明書が取得できるようになります。
「その後見登記事項証明書を取得出来るようになるのはいつ頃なのですか」
概ね,確定してから2週間位になります。
「そうすると,開始の審判が出てから約1か月後に登記事項証明書が入手できるようになるのですね」
はい,普通は,それから金融機関を回って届出するなど,後見人としての正式な活動を開始することになります。
「でも,急ぐケースなどもあるのではありませんか?」
そうですね,そういう場合は,審判が確定したら裁判所に確定証明書という書類を発行してもらい,審判書と一緒に持参して,金融機関で手続きすることになります。でも,今回のケースではそこまで急ぐことはないのではないかと考えています。
「そうですね,分かりました。」
「後見人というのは,あくまでもミチさん,つまりご本人のために仕事をしなければなりませんので,場合によっては,道夫さんはじめご親族の意向にはそぐわないこともあるかもしれません。」
「いえ,その点はよく分かっています。どうか,母のために宜しくお願いします。」