※設例は、あくまでも公開された裁判例などをもとにした仮定のものであり、登場人物や事件の内容は、実際の事件とは一切関係ありません。
また、実際の相談が必ずこのように進むというわけでもありません。
相談を初めてしようと思っている方などに対して、あくまでも、弁護士がどんなことを尋ねるのかとなどについてイメージとしてお伝えしているものです。
※内容は、不定期・随時に更新しています。
「いくら今後のことが心配だからっていって,何も弁護士さんに相談することはないんじゃないのか。弁護士って,裁判とか法廷とかそういうことだろう。俺はそんな面倒なことはいやだよ」
「でも,この間家に来てくれた千葉さんが老後の心配ごとも弁護士さんに相談できるって言ってたのよ。だから,思い 切って千葉さんに紹介してもらった半蔵弁護士さんに話しを聞いてもらうことにしたのよ」
「で,今日の相談料っていくらなんだ?」
「1時間で1万円くらいですって」
「一万円。へー。こないだ飲んだときより安いや」
「え!?」
「でもよー,弁護士さんに相談するのって財産がたくさんある人なんじゃないの。我が家は財産っていったって,猫の額ほどの土地と古い建物くらいだろう」
「そうねえ」
「預金って言ったって,俺名義の預貯金が四菱銀行と五井銀行にあるくらいだろ う。」
「やあねえ,あなた。むずほ銀行にもあるのよ。」
「えっ!?そうなの。」
「まあまあ。あっ。弁護士さんが見えられたみたいよ。」
「こんにちは,坂本さんご夫妻ですね。私は半蔵弁護士と申します。奥さんとは電話でお話しましたね。」
「ええ、千葉さんの奥さんにお聞きしたのですけれど、色々と老後の悩み事なんかについても弁護士さんに相談してもらえるとお聞きしたものですから、今日は主人も一緒に来てもらったんです。」
「どうも、さなの夫の龍夫です。今日は宜しくお願いします。」
「さて、今日はどのようなご相談でしょうか?」
「ええ,いま具体的に何がって言うわけじゃないんですけど・・・。」
「いいんですよ。漠然とした不安があってということで相談に見えられる方も多いんですよ」
「え,そうなんですか。私たち夫婦には子供がいなくて,今はこうして二人元気に自宅で生活しているんです。でも、二人とも年相応に物忘れとかはあって、それと,ここ2〜3年で私の腰とひざがよくなくて,いまは週3回くらいヘルパーさんを頼んでいるんです。」
「それで,うちの家内が老後のこととか心配で相談したいって言ってるんです。家内は,自分が倒れちゃったら,あなたは何もできなくって困るでしょなんて言うんです。」
「今は私が通帳とかキャッシュカードとか管理しているんですけど,主人はそういったものの置き場所も分かっていなくて,私が倒れちゃったら,とたんに立ち行かなくなっちゃうのじゃないかしらって,心配で心配で」
「俺のことばかり言うけどさあ,お前だって,この間,通信販売でわけのわからない高いグッズを買おうとしてたじゃないか」
「あれは・・・」
「ま,まあ,まあ。お二人ともまだまだお元気で何よりと思いますが,お二人が困ったときなどに気軽に相談に乗ってくれる弁護士がいたらいいとは思いませんか」
「そりゃあ,そうだけど。」
「自分たちが信頼できると思った決まった弁護士にいつでも相談できるという仕組みもあるんです。」
「会社の顧問弁護士みたいなものかな?」
「そうそう,そういうイメージです」
「なんていう仕組みなんですか」
「ホームロイヤー契約と言ったりしています。掛かりつけのお医者さんのようなものですね。さきほど,通信販売のお話が出ていましたが,本当に大金を払ってよいものなのか,或いは,払ってしまった後にやっぱりお金を返してほしいとか,いろいろ相談したいときにすぐに気軽に相談に乗ってくれるということですね」
「それでそのホームロイヤー契約をするといくらくらいかかるんですか」
「弁護士との契約にもよりますが,月1万円からくらいでしょうか。」
「そうかー。もし俺が倒れちゃったら,お前,こまるだろう。こないだみたいに変な通販で何か買おうかどうか迷ったときすぐに弁護士さんに相談乗ってもらえるように,考えてみるか,おい。」