婚約・内縁に関するQA

【裁判例】男女の間の「パートナーシップ関係」の解消を通告し,別の女性と婚姻したことが不法行為に当たると主張した慰謝料請求を棄却した事例 最高裁判所平成16年11月18日
1 正式に婚姻届を提出していない内縁の関係や,婚姻に向けての合意がある婚約においては,そのような関係を保護するため,当事者間に貞操義務や誠実交際義務が認められますが,意識的にそのような関係を拒み,お互いをできるだけ拘束しない自由な関係を望んでいるカップルもあります。 このようなカップルの場合に,当事者の一方が別の異性などと交際したりした場合,貞操義務違反などを問うことができるのでしょうか。もし,そのような責任が生じるとすると,自由な関係を望んでいた当事者間の意図に反することになります。 そこで,このようなカップルの場合には,当事者間に別の異性等とは交際しないという合意があるなどの特別の事情がない限り,貞操義務違反などによる責任は発生しないと考えられています。 2 本件の判例で問題となった事案も,このようなケースとされました。 婚姻外の男女の関係が継続していた期間中,両者は,その住居を異にしており,共同生活をしたことは全くなく,それぞれが自己の生計を維持管理しており,共有する財産もなかったこと,女性は,男性との間に2人の子を出産したが,子の養育の負担を免れたいとの女性の要望に基づく両者の事前の取決め等に従い,2人の子の養育には一切かかわりを持たず,また,出産の際には,男性側から出産費用等として相当額の金員をその都度受領していること,両者の間に民法所定の婚姻をする旨の意思の合致が存したことはなく,かえって,両者は意図的に婚姻を回避していること,両者の間において,その一方が相手方に無断で相手方以外の者と婚姻をするなどしてその関係から離脱してはならない旨の関係存続に関する合意がされた形跡はないことなど判示の事情の下においては,男性が,両者の関係を突然かつ一方的に解消し,他の女性と婚姻したことをもって,慰謝料請求権の発生を肯認し得る不法行為と評価することはできないと判断されています。 【掲載誌】  最高裁判所裁判集民事215号639頁 裁判所時報1376号505頁 判例タイムズ1169号144頁 判例時報1881号83頁
【関連QA】
婚約の破棄はどのような場合に不当なものとして法的責任を生じますか? 内縁関係を一方的に解消した場合,どのような責任を生じますか? 【法律相談QA】 法律相談の時間の目安はどのくらいですか? 法律相談を予約したい場合はどうすればよいですか? メールで相談することはできますか? 法律相談の料金はいくらですか? 費用が幾らくらいかかるのか不安です


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