離婚原因に関するQA

【裁判例】 性格の不一致1 東京高等裁判所 昭和57年11月25日
【本件の概要】(判決文から)  1 昭和36年5月に婚姻した夫婦の事案です。  2 妻の言うことに全く耳を貸さずに,独断専行で事を進める夫に対し,妻が愛想を尽かして離婚を求めたというものです。    判決文では次のようなエピソードが挙げられています。  ・夫が結婚前に親から買い与えられ,夫婦が結婚生活を始めた戸建について,妻に何の相談もなく右土地建物を売り渡してしまつた。  ・夫は毎月同会社から支給される給与について予め自ら必要とする分を抜き取り、妻にはその残額しか手渡さなかつた。のみならず、右会社から支給されるボーナス等について,夫は結婚以来妻には支給の事実を隠し通し、これを意のままにしていた。  ・夫には姉がおり,夫婦宅に遊びに来ることもあったが,違慮のない夫の姉の立居振舞は、医師を父に、華道師範を母に持つ家庭で育つた妻にはいかにも粗野で、常識にかけるもののように思われ,妻がそのことについて愚痴をこぼすことも少くなかつたが、夫はその都度、かえつて、妻に対し強い不満の色を表わし、妻の気持を汲んでA子との関係を調整しようとするような気配は全く見せなかつた。  ・妻は、日ごろ、生活費のことや子供の教育のことなどについて夫に相談を持ちかけていたが,夫は妻のいうことには一切耳を貸さず、夫婦間の対話が著しく欠けていた。そればかりか、妻が夫のすることについて非難めいたことをいい、あるいは夫の姉のことで愚痴つたりしようものなら、夫は不満を顕わにして手当り次第のものを叩きつけ、器物を損壊するという挙に出るのが常であつた。  ・夫の郷里で行なわれた夫の亡父の法事の席上で、夫婦間に十分な事前の打合せがなかつたことから、地元の慣例に反して法事終了後早々と帰京しようとした妻の態度に夫が憤慨し、親類縁者の面前で妻を口汚く罵り、「お前と離婚してやる。」などと怒鳴つた。 【コメント】  上記のような事情の下で、一審は妻からの離婚請求を認めませんでしたが、控訴を受けた二審は、妻からの離婚請求を認めました。ただ、離婚に伴う慰謝料については認めませんでした。  この事案も古いものであるとはいえ、妻いうことに全く耳を貸さない亭主関白の夫、夫の姉との不和など、現在にも通じる共通の事情が見て取ることができます。 【掲載誌】 東京高等裁判所判決時報民事33巻10〜12号137頁        判例タイムズ490号146頁        判例時報1062号89頁
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