離婚原因に関するQA

【裁判例】 虐待・DV  東京地方裁判所 平成17年3月15日
【本件の概要】(判決文より)  1 大学の先輩後輩の関係で,昭和58年5月23日に婚姻した夫婦の事案です。    2 裁判所が認定した事実をみるかぎり、本件夫の言動は定型的なDVの行動パターンを示しているようです。具体的には次のようなエピソードが認定されています。   ・夫は,気に入らないことがあると,感情を爆発させ,暴言を繰り返し,執拗に妻を責め続けることがあり,また,激高すると,妻の頭や顔を殴ったり,蹴ったりすることがした。妻は,それらのことによるストレスもあって,十二指腸潰瘍や過敏性大腸炎を発症したことがあった。     ・妻は,僧房弁逸脱症候群の持病があったが,夫から「さっさと心臓移植でもしてこい。」などの暴言を浴びせられたことがあった。     ・妻がメニエール病を発症し,緊急入院したことがあったが,夫から「なぜ突然入院した。人の不便も考えろ。」といわれ,わずか5日間の入院のみで退院した。妻は,退院して帰宅した夜に,一晩中,夫から,廊下に座らさせ,文句をいわれ続け,患部側の側頭部を平手打ちされるなどの暴行を受けた。夫は,その後もしばしば,妻が入院したことを持ち出し,妻に対し,「都合が悪いから具合が悪いふりをする。」「いつまでもぐずぐずしやがって」「いっそ,聞こえなくなる手術でもして来い。」などと暴言を吐いた。   ・平成14年夏ころから夫の生活が昼夜逆転し,夫は,連日のように午前3時から5時ころになると,妻に対し,食事を作ることを要求し,すぐに従わないと怒りを爆発させ,テーブルをたたいたり,床を蹴ったりするなどした。また,妻が朦朧状態で椅子に座っていると,「顔を洗ってこい。」などといいながら,妻の前のテーブルをたたき,眠らせず,午前6時ころまで夫の世話をすることを要求した。    また,夫は,十数年かわいがっていた愛犬に対しても,「うるさい,殺してしまえ。」などといいながら,腹を蹴飛ばしたり,たたいたりすることがあった。   ・妻は,夫から逃げるほかないと考え,同日家出をし,東京都女性相談センター(シェルター)に駆け込み,保護を求めたところ,夫は,数日間にわたり,妻の実家に対し,妻宛のファックスを数通送り,妻の早期の帰宅を求め,妻との復縁を切望する意思を表しているが,その中で「この1年,なにかと○○ちゃんに辛くあたってしまいました。」,「本当に可愛想なことをした。ボクのおごりでした。ボクがもっともっと大切にすればよかった。今までかけてきたストレスは,一生かけても償いますから,どうぞ**(愛犬)と一緒に○○ ちゃんの顔を見せて下さい。」「××君(義弟)のことももういいませんから」などと記載している。 【コメント】 当然のことながら,裁判所は妻から夫に対する離婚請求を認めました。 なお、虐待やDVで離婚が認められるのは当然のことです。問題なのは、それらをどうやって立証していくかということになります。 また、本件では、夫は妻の不貞行為を主張しましたが、裁判所の容れる所とはなりませんでした。 【掲載誌】  公刊物未登載
【関連QA】
【裁判例】 性格の不一致1 最高裁判所 昭和38年6月7日 【裁判例】 性格の不一致1 東京高等裁判所 昭和57年11月25日 【裁判例】 親族との不和1 東京高等裁判所 平成1年5月11日 【裁判例】 親族との不和2 東京地方裁判所 平成17年1月26日 【裁判例】 親族との不和3 名古屋高等裁判所 平成20年4月8日  【法律相談QA】 法律相談の時間の目安はどのくらいですか? 法律相談を予約したい場合はどうすればよいですか? メールで相談することはできますか? 法律相談の料金はいくらですか? 費用が幾らくらいかかるのか不安です


タイトル
メールアドレス
お名前 (全角)
お問い合わせ内容
個人情報規約 個人情報規約はこちら
(注)このフォームは簡易お問い合せフォームです。一般的,簡単なご相談であればメールでご回答差し上げます(無料)。 「相談フォーム」もご利用ください。